雪止め工事雪止めとは?雪止め工事が必要な理由
投稿日:2019.2.9 更新日:2025.5.1
雪による思わぬトラブルを防ぐには、「雪止め」の設置が欠かせません。
雪が頻繁に降らない地域でも、冬の時期には数年に一度の大雪が住宅や暮らしに大きな影響を与える場合があります。
そんなとき、屋根から一気に滑り落ちる雪は、私たちの生活に予想以上のリスクをもたらす可能性が高いです。
本記事では、雪止めの基本や設置の必要性、注意点などをわかりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
雪止めとは
「雪止め」は、屋根の上に積もった雪が滑り落ちるのを防ぐために取り付けられる部材です。
主に屋根の軒先に設置され、屋根材に応じてさまざまなタイプが存在します。
金具型のものや、瓦に雪止め機能が付いた一体型などが代表的です。
一見小さなパーツですが、その役割は非常に重要です。
雪が自然に解けて少しずつ落ちるようコントロールできるので、安全性を高め、住環境を守ります。
雪止めが必要とされる主な理由
理由①:落雪事故を防止するため
屋根に雪止めを設置すると落雪事故を防止できます。
屋根に積もった雪は気温の上昇とともに解け始め、屋根の傾斜を利用して滑り落ちます。
その際、重くなった雪が一気に落ちると、通行人や車、庭木などに被害を及ぼす可能性が高いです。
雪止めを設置すれば雪の落下スピードや量を抑えられるので、こうした危険を未然に防げます。
理由②:住宅設備の破損を防ぐ
雪止めを設置すると、住宅設備の破損リスクを大きく減らせます。
なぜなら、屋根の軒先に取り付けられている雨どいは、雪が引っかかると破損しやすいからです。
とくにプラスチック製の雨どいは雪の重みに耐えきれず、曲がったり外れたりする可能性が高いです。
雨どいが破損すると雨水が正しく排水されず、外壁や基礎部分に水がしみ込み、建物の劣化を早める原因にもなります。
そのため、雪止めを設置すると、住宅設備を長く保つうえでとても有効です。
理由③:隣家や通行人とのトラブル防止
雪止めの設置は、隣人や通行人とのトラブルを未然に防ぐためにとても重要です。
なぜなら、屋根から落ちた雪が隣家の敷地や駐車場、ベランダに積もると、植木や構造物を破壊するなどの被害が発生するからです。
また、通行人への落雪事故も大きな危険を伴います。
特に人通りの多い道路沿いや、隣家との距離が近い住宅では、雪止めの設置がトラブル回避の有効な対策となります。
「たまに降る雪」こそ危険
積雪地帯でなくても、年に数回雪が積もる地域では雪止めの役割が重要になります。
たとえば関東や関西、中部エリアなどでも、冬場には突然の積雪がある場合があります。
こうした地域では雪に対する備えが不十分になりやすく、ちょっとした落雪でも被害が大きくなりやすいです。
意外にも雪に不慣れな地域こそ、雪止めがあると安心して冬を過ごせるようになります。
法律上も注意が必要
民法第214条には「土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない」と定められています。
これは雨水についての規定ですが、雪も同様に隣地へ落下して被害を与えた場合、責任を問われる場合があります。
「知らなかった」「まさか雪でトラブルになるとは思わなかった」という理由では済まされず、修理代の請求や裁判に発展するケースもあります。
雪止めは、こうした法的リスクから身を守るための予防策にもなるのです。
雪止めを設置するときの注意点
雪止めは便利な設備ですが、設置する際にはいくつか注意すべき点もあります。
以下で詳しく説明します。
錆びるリスクがある
雪止めは金属製の材質が多いので、経年劣化により錆びてしまう可能性があります。
特に安価なスチール製の金具を使用した場合、雨や雪が原因で腐食が進行し、見た目や機能が低下してしまうおそれがあります。
錆びにくいステンレス製など、防錆性の高い素材を選ぶと長持ちしやすく安心です。
雪下ろしがしにくくなる
屋根の雪下ろしを手作業でおこなう場合では、雪止めがあると作業の邪魔になります。
たとえばスコップなどが引っかかったり、除雪効率が下がったりするケースもあるのです。
特に豪雪地帯では、雪下ろしと雪止めのバランスを考え、適切な設置位置や量を調整することが求められます。
状況によっては、屋根の一部だけに設置するなどの工夫も効果的です。
雨漏りの危険性がある
雪止めの設置には高い技術と経験が求められますが、業者選びを誤ると雨漏りの原因になるおそれがあります。
たとえば防水処理が不十分だったり、屋根の形状や素材に合わない方法で施工された場合には、隙間から雨水が入り込む可能性があります。
こうしたトラブルが起これば、修理のために余計な手間や出費がかかってしまうでしょう。
そのため、雪止めを設置する際は、施工実績が豊富で信頼できる業者に依頼するのが重要です。
屋根の負担が多くなる
雪止めによって雪が屋根の上に長くとどまるため、屋根にかかる重量負担が増えやすいです。
特に積雪量が多い地域では、数百キロもの雪が屋根にとどまり続けると、屋根構造そのものにダメージを与えるリスクが出てきます。
そのため、屋根の構造や下地の強度を考慮した上で雪止めを設置する必要があります。
雪止めの種類と特徴
雪止めには、屋根材や住宅の構造に応じていくつかのタイプがあります。
主な3つの種類とそれぞれの特徴を解説します。
瓦タイプ
瓦タイプの雪止めは、雪が滑り落ちるのを防ぐ突起や段差が瓦そのものに設けられているタイプです。
見た目が自然で、景観を損なわないというメリットがあります。
デメリットとしては、施工の自由度が低く、既存の屋根に柔軟に対応しづらい点が挙げられます。
瓦そのものを雪止め機能のある瓦に差し替える必要があるため、屋根リフォームや葺き替えのタイミングでの導入が一般的です。
金具タイプ
金具タイプは、金属製のパーツを屋根材に取り付けて雪の滑落を防ぎます。
比較的安価で取り付けが簡単なため、リフォームや改修時に多く採用されています。
しかし、金具の材質によっては錆びやすく、定期的なメンテナンスが必要になります。
屋根材に応じた形状・素材の金具があるため、施工の際は専門業者と相談しながら選定するとよいでしょう。
ネットタイプ
ネットタイプは、屋根に沿って専用のネットやワイヤーを取り付けて、雪の塊を分散・抑制するタイプです。
後付けが可能で、広範囲に雪止め効果を持たせたい場合に効果的です。
一方で、設置に手間がかかり、屋根の構造によっては複雑な工事が必要になることもあります。
また、人によっては外観が気になる場合もあり、美観とのバランスが求められます。
まとめ
雪止めは雪が多い地域だけでなく、年に数回しか雪が降らない地域でも設置する価値があります。
なぜなら、一度の積雪でも落雪事故や住宅設備の破損、隣家とのトラブルなど、思わぬ被害が起こる可能性があるからです。
たとえば通行人への落雪事故や雨どいの破損、ご近所との関係悪化、さらには法的な責任を問われるケースもあります。
万が一に備え、安全で安心な住まいづくりの一環として、雪止めの設置をぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
*K*
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