塗装できない屋根・外壁の種類とリフォーム方法を解説

塗装できない屋根・外壁の種類とリフォーム方法を解説

投稿日:2022.6.9 更新日:2026.6.22

塗装してはいけない屋根・外壁

屋根や外壁のメンテナンスを考えたとき、多くの方が「まず塗装をしないと」と考えるのではないでしょうか。
しかし、外壁や屋根には素材や工法によっては塗装が適さないケース、あるいは塗装をしても効果がまったく期待できないケースが存在します。
間違ったメンテナンスをしてしまうと余計な費用がかかるだけでなく、建物の劣化を早めてしまう恐れもあります。
本記事では塗装ができない、あるいは向いていない屋根や外壁について、種類ごとにわかりやすく解説します。

 

 

 

日本瓦の屋根は塗装は不要

 

日本の伝統的な住宅で広く使われてきた日本瓦は、屋根材の中でも特に耐久性が高く、適切なメンテナンスをすれば数十年以上にわたって使い続けられる素材です。

 

 

なぜ塗装が不要なのか

日本瓦の最大の特徴のひとつが、塗装が不要という点です。
優れた防水性によって雨水を自然に弾く効果があり、この水を弾くという性質によって塗装をしても塗料が定着しにくいのです。
仮に塗装をおこなったとしても短期間で剥がれてしまい、効果はほとんど期待できません。

 

 

必要なメンテナンスは漆喰補修と葺き替え

塗装が不要だからといって、メンテナンス自体が不要というわけではありません。

瓦の隙間を埋めている漆喰は、劣化してひび割れたり剥がれたりすると、そこから雨水が侵入して雨漏りの原因になります。
そのため、10〜20年を目安に補修が必要です。
漆喰工事については
「漆喰工事」をご覧ください。

 

また、瓦を支えるルーフィングや野地板などの下地材も経年とともに劣化します。
築20年以上が経過している場合は、瓦を一度取り外して新しいものに交換する「葺き替え工事」を検討することをおすすめします。

 

 

 

セメント瓦・モニエル瓦は定期的な塗装メンテナンスが必須

 
日本瓦とは異なり、セメントを主成分とするセメント瓦やモニエル瓦は、定期的な塗装によるメンテナンスが欠かせません。
 

 

セメント瓦のメンテナンス方法

セメント瓦は塗膜によってその耐久性が保たれており、塗膜が薄くなったり剥がれたりすると雨水がセメント内部へ浸透し、カルシウム成分が徐々に溶け出してしまいます。
これが進行すると瓦が内側からもろくなり、割れや欠けを引き起こします。

そのため、早めに塗装でメンテナンスをおこない、瓦の寿命を延ばしていくことが大切です。
塗料は「セメント瓦対応」の屋根用塗料を選びましょう。

 

 

モニエル瓦は特殊な工程が必要

モニエル瓦の表面には「スラリー層」と呼ばれる特殊な層があり、これが塗料の密着を妨げます。
そのため、塗装前にまず高圧洗浄機でスラリー層をしっかり除去し、「スラリー強化プライマー」という専用の下塗り材で下地を整えてから塗装をおこなう必要があります。

なお、モニエル瓦は現在ほとんど製造されていないため、他の屋根材への葺き替えも視野に入れると長期的なコスト削減につながります。

 

 

 

ニチハ「パミール」は塗装しても改善しない屋根材

1996年から2008年にかけてニチハ株式会社が製造・販売していたスレート屋根材「パミール」は、現在では非常に注意が必要な屋根材として知られています。
 

 

なぜ塗装では対処できないのか

かつてはその普及率の高さから多くの住宅に採用されましたが、施工から10年前後でミルフィーユ状にパリパリと剥がれるという特有の劣化現象が多数報告され、テレビや新聞でも報道されました。

塗装を施しても、屋根材そのものが内部から劣化しているため、表面を塗料でコーティングしても剥離は止まらないのです。

 

 

パミールが使われているか確認する方法

1996年〜2008年頃に建てられた住宅にお住まいであれば、パミールが使用されている可能性があるため、設計図面などで屋根材の種類を確認してみてください。
ご自身での判断が難しい場合は、専門業者に現地確認を依頼するのが確実です。
パミールと判明した場合は、塗装ではなくカバー工法や葺き替え工事による根本的なリフォームを検討しましょう。

 

 

 

ジョリパット外壁は透湿性の高い塗料でなければNG

 

独特の凹凸感と温かみのある風合いで人気の外壁であるジョリパットは、デザイン性が高い一方、表面がざらついているため汚れが付きやすいというデメリットがあります。
汚れが目立ってきて塗装を検討する際には、必ず透湿性の高い塗料を選ぶことが重要です。

ジョリパットは土壁や漆喰と同様に壁自体が呼吸する壁なので、もし透湿性の低い塗料を塗ってしまうと壁内部の水蒸気が外へ逃げられなくなり、塗膜の膨れや早期剥離が発生しやすくなるのです。

ジョリパットの外壁を塗装する際は専門業者に相談し、透湿性に優れた適切な塗料を選んでもらうことが重要になります。

 

 

 

直張り工法のサイディング外壁は塗装よりも張り替えが基本

 

2000年以前に建てられた住宅のサイディング外壁は、通気層のない「直張り工法」で施工されている可能性があります。
現在主流の通気工法では湿気が外部へ逃げやすい構造になっていますが、直張り工法では湿気がサイディング裏側にこもりやすく、一般的な塗料を塗ると湿気の逃げ道がふさがれて塗膜が膨れ上がり、早期剥離が起きてしまいます。
そのため、直張り工法の外壁には、塗装よりも張り替えやカバー工法が適しています。

予算の都合でどうしても塗装で対応したい場合は、透湿性に優れた専用塗料を使うことでリスクをある程度軽減できます。
まずはご自宅の外壁が直張り工法かどうかを、専門業者に確認してもらうことがおすすめです。

 

張り替え工事については「サイディング張り替え」をご覧ください。

 

 

 

まとめ

屋根や外壁は素材や工法によって、塗装が適さないケースがあります。
日本瓦は塗装不要、パミールは塗装しても改善しない、直張り工法のサイディングは張り替えが基本、ジョリパットは透湿性の高い塗料でなければNGなど、素材ごとに適切なメンテナンス方法は異なります。
間違った対処は劣化を早めるだけでなく、余計なコストにもつながります。
素材に合ったメンテナンスが建物を長持ちさせることにつながるため、まずは自宅の素材や工法を確認し、専門業者に相談することから始めましょう。 

 

*K*

 

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