錆止め塗装とは?目的や注意点を解説
投稿日:2025.7.19 更新日:2025.7.23
錆止め塗装は、金属部材を腐食から保護するために重要な塗装です。
金属製品において錆の発生を防ぐことは、安全性と耐久性を確保するために不可欠な工程となります。
しかし、錆止め塗装には気を付けなければいけない点があるため、注意しながら適切な方法での塗装が必要です。
適切な錆止め塗装をおこなうことで、寿命を大幅に延ばしてメンテナンスコストを削減することができます。
本記事では、錆止め塗装の目的や注意点について解説します。
錆止め塗装の目的
錆止め塗装の最も重要な目的は、金属表面を酸素や水から遮断して金属の腐食を防ぐことです。
錆は、金属が空気中の酸素や水に触れて酸化を起こすことで発生します。
この化学反応を防ぐために、錆止め塗装で表面に保護膜を形成することが重要になります。
そうすることで、金属の腐食や錆の発生を防止することができます。
また、錆止め塗装は美観を維持するという重要な目的もあります。
錆が発生すると表面は茶褐色に変色して、見た目が著しく損なわれてしまいます。
錆止め塗装によって変色から表面を守り、外観を美しく保つことができるのです。
さらに、錆止め塗装は安全性を確保するためにも重要な塗装です。
錆が進行してしまうと金属の強度が低下してしまい、最悪の場合は穴が開いてしまう可能性があります。
強度低下は深刻な安全上の問題となるため、適切な錆止め塗装による予防が重要なのです。
錆止め塗装の流れ
錆止め塗装の効果を最大限に発揮するためには、適切な工程を踏むことが重要です。
下地処理
金属の塗装をする際は、まず表面処理が重要になります。
金属には錆が発生しやすく、塗料の接着不良の原因となってしまいます。
そのようなことを防ぐためには、表面に付着した錆や汚れ、旧塗膜などを完全に除去することが必要です。
この工程をしなかった場合、新しい塗膜がしっかりと密着してくれず、早期に剥がれや錆が発生する可能性があります。
高圧洗浄では主に表面に付着している汚れを落とします。
ケレンではヤスリやマジックロンなどを使って、発生している錆や旧塗膜などを除去します。
どちらも塗料の密着性を向上させるために欠かせない下地処理です。
高圧洗浄やケレンなどが終わったあとは、プライマーを塗布します。
プライマーは接着材のように物と物をくっつける役割があるため、初めに塗っておくことで金属表面と上塗り塗料の密着性が高まります。
プライマーの塗布はとても重要で、塗膜全体の性能が向上します。
錆止め塗装
下地処理後、錆止め塗料を塗布します。
塗布方法には刷毛塗り・ローラー塗り・スプレー塗装などがあり、塗料の種類や施工条件によって最適な方法を選択します。
この時、適度な塗膜厚がとても重要です。
塗膜が薄すぎると十分な防錆効果が得られず、反対に厚すぎると塗膜の内部応力によって剥がれの原因となってしまいます。
中塗り~上塗り
錆止め塗装後は、中塗り塗装をおこないます。
中塗りは表面の保護のために必要で、上塗りの前に塗ることで塗りムラをなくす役割もあります。
最後に、中塗り塗料と同じ塗料を使って上塗り塗装をおこないます。
上塗りは主に美観の向上と、下地の防錆塗料の保護を目的としています。
中塗りと上塗りで十分な塗膜厚を確保することで、塗りムラのない綺麗な塗装面になり、耐久性も向上します。
錆止め塗装の注意点
錆止め塗装を成功させるためには、いくつかの重要な注意点があります。
下地処理を丁寧におこなう
最も重要なのは適切な下地処理です。
表面の錆や油分、汚れや旧塗膜などを完全に除去しないと、どんなに高品質な塗料を使用しても密着不良や早期剥離が発生してしまいます。
そのため、ケレン作業は品質を左右する重要な工程です。
また、既存の錆を完全に除去しないと錆は継続的に進行して、さらなる腐食を促進してしまいます。
このように、塗膜の密着性と防錆効果を確保するために下地処理は重要です。
上塗り塗料との相性を確認する
錆止め塗装をする際は、上塗り塗料との相性を事前に確認してトラブルを防止することが大切です。
塗料によって温度変化時の膨張収縮率が異なるため、上塗り塗料との相性が悪いと密着不良による剥離やクラックの原因となってしまいます。
初期は問題なくても時間経過とともに劣化が進行し、防錆効果や美観が大幅に低下してしまいます。
そのため、事前に相性を確認することが不可欠です。
乾燥時間を守る
錆止め塗料が完全に乾ききる前に上塗りをすると、密着不良や色ムラが発生してしまいます。
そのため、メーカー指定の乾燥時間を厳守することが重要です。
高湿度や気温が低い場合は塗料の乾燥が遅くなり、塗膜の品質に影響を与える可能性があるため、一般的に湿度85%以下、温度5℃以上での施工が推奨されます。
また乾燥時間のほかにも、メーカー指定の塗布量や塗り重ね間隔を厳守することも重要です。
薄塗りは防錆効果の低下を招き、厚塗りは乾燥不良やひび割れを招いてしまいます。
金属部分に劣化が現れたら?
金属部分が劣化している場合は、強度低下を防ぐためにも必ず補修をおこないます。
小さな損傷であっても放置すると拡大する可能性があるため、早期の対応が重要です。
補修する際は塗膜の密着性を確保するため、適切な下地処理と塗料の選択が必要になります。
また、劣化が広範囲に及んでいる場合は、部分補修よりも全面塗り替えの方が経済的になる場合があります。
そして、錆止め塗装後も定期的なメンテナンスが必要です。
まずは定期点検によって塗膜の状態を確認することで、塗膜の剥がれや錆の発生などを早期に発見して大規模な補修を避けることができます。
当社の外壁塗装工事については「外壁塗装・屋根塗装」をご覧ください。
まとめ
錆止め塗装は安全性を確保して美観を維持するために、金属部分には不可欠な塗装です。
適切な塗料の選択や正確な施工をおこなうことで、長期間にわたって金属表面を腐食から保護することができます。
また、定期的なメンテナンスによって建物の耐久性が大幅に向上し、長期的なコスト削減にもつながります。
*K*
当社では無料診断をおこなっておりますので、「プロが見る無料診断」をぜひご利用ください。
東京都立川市,小平市,福生市,武蔵村山市,東村山市,東大和市,国立市,国分寺市,昭島市,日野市,その他エリアも対応可能で、塗装工事、屋根工事のことなら、INGコーポレーションへお気軽にご相談ください。