棟板金の釘浮きの補修方法とは?原因や放置した際のリスクも解説
投稿日:2025.10.25 更新日:2025.11.5
屋根の頂上部分に設置されている棟板金は、住宅を雨水から守るために重要な役割を担っています。
しかし、経年劣化などによって釘浮きが発生すると、雨漏りや棟板金の飛散といった深刻なトラブルにつながる可能性があります。
本記事では、棟板金の釘浮きが起こる原因から補修方法、放置した際のリスクまで詳しく解説します。
棟板金とは?
棟板金とは、屋根の頂上部分である棟を覆っている金属製の板のことです。
スレート屋根やコロニアル屋根などに設置されており、屋根材同士の接合部分を保護して雨水の浸入を防ぐ役割を果たしています。
一般的にはガルバリウム鋼板やトタンなどの金属が使用され、横から釘やビスを打つことで下地となる貫板に固定されています。
棟板金は建物の耐久性と美観を保つために重要な部材ですが、最も雨風や紫外線にさらされているため、劣化しやすい箇所でもあります。
そのため、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
棟板金の釘浮きとは?
棟板金の釘浮きとは、棟板金を固定している釘が時間の経過とともに浮き上がってくる現象のことです。
屋根は直射日光を浴び続けるため、日中の高温と夜間の低温による温度差で金属が膨張と収縮を繰り返します。
この動きによって釘が徐々に押し出されて浮いてしまうのです。
釘が浮いた状態を放置してしまうと、強風時に板金が飛散したり、釘穴から雨水が浸入して下地が腐食したりとさまざまな問題が発生します。
そのため、定期的な点検が重要で、釘浮きを発見したら早めの補修が必要です。
軽度であれば釘の打ち直しやコーキング処理で対応できますが、劣化が進んでいる場合は棟板金全体の交換が必要になることもあります。
棟板金の釘浮きが起こる主な原因
棟板金の釘は、以下のようなことが原因となって浮いてきてしまいます。
棟板金の釘浮きは、建物の耐久性にも関わるため注意が必要です。
熱膨張と収縮
棟板金の釘浮きが発生する最も大きな原因は、金属の熱膨張です。
棟板金は性質上、日中の暑い時には膨張し、夜間の気温低下で収縮します。
膨張する際には釘が一緒に外側に引っ張られますが、収縮する際には棟板金のみが元の位置に戻ります。
この状態が繰り返されることで、固定している釘が徐々に浮いてしまい、最終的には抜けてしまうのです。
特に夏場は屋根表面が高温になるため、釘浮きを加速させてしまいます。
貫板の劣化
貫板とは棟板金を支える下地材のことで、この貫板が劣化してしまうと釘がしっかりと固定できなくなり、釘が抜けやすくなってしまいます。
多く使用されている木製の貫板は湿気によって腐食しやすく、腐食が進むと固定する力が低下します。
また、長年の風雨や紫外線による影響で、釘自体が錆びたり劣化したりすることも釘浮きの原因となります。
強風の影響
台風や強風が吹くと、棟板金は風にあおられて上下に揺さぶられます。
この揺れによって板金を固定している釘には、引き抜こうとする力が繰り返しかかることになり、このような負荷が何度もかかることで釘は少しずつ抜けてしまいます。
特に風の強い地域や海沿いの住宅では、風による影響が大きく、釘浮きが進行しやすい傾向にあります。
棟板金の釘浮きの補修方法
棟板金の釘浮きを補修する際は、状況に応じて適切な方法でおこなうことが大切です。
釘の打ち替え
釘の打ち替えは、浮いてしまった古い釘を抜き取り、新しい釘で棟板金を再固定する作業です。
まずは既存の釘を抜き取り、釘穴周辺の状態を確認します。
下地の木材に問題がなければ、少しずらした場所に新しい釘を打ち込みます。
そして、釘穴からの雨水浸入を防ぐために、防水処理としてコーキング材でしっかりと釘穴を塞ぎます。
棟板金の交換
貫板の腐食が進んでいる場合や、棟板金自体が劣化している場合は、全体的な交換が必要です。
この際、木製の貫板から樹脂製や金属製の貫板に交換することで、耐久性を大幅に向上させることができます。
ビスへの交換
近年では、釘ではなくビスで固定する方法が主流になってきています。
ビスは釘に比べて保持力が高く、抜けにくいという特徴があります。
補修の際にビスへ交換することで、より長期的に安全を保つことができます。
当社の棟板金工事については「屋根板金工事」をご覧ください。
棟板金の釘浮きを放置した際のリスク
棟板金の釘浮きを放置した際は、さまざまなリスクが発生するため注意が必要です。
雨漏りの発生
釘浮きが起こると、棟板金と屋根材の間に隙間が生じます。
この状態を放置し続けると、隙間から雨水が浸入して雨漏りにつながる恐れがあります。
また、釘穴から雨水が入り込んでしまうこともあります。
雨漏りが発生すると屋根材だけではなく、建物全体に深刻なダメージを与える可能性があるので注意が必要です。
棟板金の飛散
釘浮きが進んでしまうと、棟板金の固定が不安定になり、強風時に棟板金が飛散する危険性が高まります。
棟板金が飛散すると下にいる通行人に当たったり、近隣の住宅や車に当たったりと被害を与える可能性があり、大きな事故につながることもあります。
実際に台風によって棟板金が飛散したという例も多いです。
そのため、このようなトラブルが起こる前に対処することが重要です。
下地の腐食
釘が浮くと釘穴の隙間から雨水が侵入するようになり、屋根材だけではなく下地材となる貫板も腐食してしまいます。
腐食した下地は強度が低下するため、釘を固定する力が失われ、棟板金を支えられなくなります。
この状態になると強風で板金が飛散する危険性が高まり、さらに腐食が広がると雨漏りや構造材の劣化を引き起こし、修理費用も増加してしまいます。
まとめ
棟板金の釘浮きは、熱による金属の膨張収縮や貫板の劣化によって、どの家でも発生する症状です。
放置すると雨漏りや棟板金の飛散といった深刻なトラブルにつながるため、釘の打ち替えや棟板金の交換などの適切な対処が重要です。
適切なメンテナンスによって、住宅を長く安全に保つことができるので、築10年以上の住宅や台風後などには点検をおこないましょう。
*K*
当社では無料診断をおこなっておりますので、「プロが見る無料診断」をぜひご利用ください。
東京都立川市,小平市,福生市,武蔵村山市,東村山市,東大和市,国立市,国分寺市,昭島市,日野市,その他エリアも対応可能で、塗装工事、屋根工事のことなら、INGコーポレーションへお気軽にご相談ください。







