軒天の増し張りで家を長持ちに!メリットや施工のポイントを解説
投稿日:2025.12.27 更新日:2025.12.30
住宅のメンテナンスで見逃されがちなのが、屋根の裏側にあたる軒天部分です。
外壁や屋根に比べると確かに目立たない部分ではありますが、見上げると目に付きやすい部分でもあるので意外と建物全体の美観に関わる箇所です。
また、美観だけではなく建物の寿命にも影響するため、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
今回は、軒天のリフォーム方法の一つである「増し張り」について詳しく解説します。
軒天増し張りってどんな工事?
まずは軒天増し張りの工事について詳しく解説します。
増し張り工法とは
増し張りは、今ある軒天ボードを残したままの状態で、その既存の軒天材の上から新しい軒天材を重ねる施工方法です。
古い材料を撤去しなくて良いため、手間が省けて効率的に作業を進められるのが大きな特徴となっています。
詳しいメリットについては後述します。
張り替え工法との違い
軒天のリフォーム方法には増し張りの他に、張り替えがあります。
張り替えは、古い軒天材を完全に撤去してから新しい軒天材を取り付ける方法です。
一方前述した通り、増し張りはこの取り外しの作業が必要ないため工期短縮と費用削減が可能になり、時間とコストの両面で有利になります。
軒天増し張りのメリット
費用を抑えられる
増し張り工法の一番の魅力は費用を抑えられることです。
増し張りでは既存の軒天材を撤去せずに新しい材料を上から重ね張りするため、撤去作業や廃材処分にかかる費用が不要になります。
そのため、張り替え工事と比較すると工事費用を大幅に削減することができ、2割から3割ほど安く済むケースが多いです。
また、足場の設置期間も短縮されるため、足場代のコストダウンにもつながります。
予算に限りがある場合でも、軒天の美観と機能性を回復させることができる経済的な選択肢といえるでしょう。
作業期間が短い
既存軒天材の解体がない分、工事にかかる日数を短縮することが可能です。
工期が短くなることで、撤去作業に伴う騒音や粉塵の発生も抑えられ、生活への支障を最小限にすることができます。
これは近隣への配慮という面でもメリットになります。
また、天候に左右されにくい作業内容のため、スケジュール管理もしやすいです。
耐久性の向上
既存の軒天材を残すことで二重構造になり、全体の頑丈さが高まります。
既存のものと新しいものが組み合わさることで、変形や劣化に対する抵抗力が増加します。
外部からの衝撃などに対しても、緩衝材の役割を果たして損傷を防ぐことができるのです。
また経年劣化が進んだ軒天であれば、新しい材料で覆うことで防水性が回復し、雨水の浸入を効果的に防止することができます。
その結果、軒天裏の構造材や断熱材を湿気から守り、建物全体の寿命を延ばすことにつながります。
断熱・遮音効果
二重になった軒天の間に空気の層ができることで、わずかながら断熱性と防音性が向上されます。
この空気層が熱の移動を妨げるため、夏場の熱気や冬場の冷気の侵入を軽減することができるのです。
その結果、冷暖房効率が改善されて、光熱費の削減効果も期待できます。
また、二層構造は遮音性も高めてくれるため、雨音や外部騒音の軽減にもつながります。
特に金属系の軒天材を使用している場合は、雨が降ると音が響きやすいという問題がありますが、増し張りによってこの不快な音を抑制することができるのです。
軒天増し張りの施工ポイント
増し張りで失敗しないためには、以下のポイントを押さえて実践することが重要です。
丁寧な下地処理
増し張りが成功するかどうかは下地処理にかかっています。
下地処理を怠ると、新しい材料が密着せず剥離の原因となります。
既存軒天の表面に付着した汚れやカビ、油分などを除去して、清潔な状態にすることが重要です。
また、浮きや剥がれがある部分は補修材で平滑に整え、凹凸のない均一な施工面を作り上げます
接着力を高めるために、プライマー処理も適切におこなうことが重要です。
このように下地処理を丁寧に確実におこなうことで、新しい軒天材がしっかりと定着してくれます。
下地処理については「塗装前の下地処理」をご覧ください。
適切な材料選び
軒天材にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ケイカル板は耐火性と耐久性に優れ、金属系は軽量で施工性が高く、木質系は自然な風合いが魅力です。
既存の軒天材との相性や建物のデザイン、予算を総合的に判断して選ぶことが重要です。
また、通気性を確保するために有孔タイプを選ぶことで、軒天裏の湿気を適切に排出することができてカビや結露の発生を防ぐことができます。
信頼できる施工業者の選定
増し張り工事を成功させるためには、施工業者の技術力が非常に重要です。
実績が豊富で、現場調査を丁寧にしてくれる業者を選ぶことが成功の鍵となります。
見積もりの内訳が明確かどうかも重要なので、複数の業者から見積もりを取って、工事内容の詳細な説明を受けて比較検討しましょう。
極端に安い見積もりは、手抜き工事のリスクがあるため注意が必要です。
また、保証内容やアフターサービスの充実度も重要な判断材料になります。
増し張りができないケース
既存軒天の腐食が著しい場合
元の軒天が激しく腐食している場合は、増し張りを適用することができません。
腐食によって強度を失って新しい材料を支える力がないため、張り替えが必要になります。
指で押した際に簡単にへこむような状態では増し張りは不可能です。
また、変色や変形が広範囲に及んでいる場合も、内部まで劣化が進行している可能性が高いため増し張りでは対応できません。
雨漏りが発生している場合
雨漏りが起きている場合は、まず漏水の原因を特定して根本的に直さなければなりません。
雨水の侵入経路を塞がずに表面だけを覆っても、内部では水分による腐食が進行し続けるため、増し張りだけでは問題を解決することができないのです。
屋根材の破損や防水シートの劣化など、様々な要因が考えられるため、専門業者による調査が不可欠です。
まとめ
軒天の増し張りは既存材料の上から新しい軒天材を重ねる工法で、費用削減と工期短縮を実現できます。
二重構造により耐久性や断熱性も向上しますが、下地の腐食が激しい場合や雨漏りがある場合は施工できません。
成功させるには丁寧な下地処理と信頼できる業者選びが重要です。
定期的なメンテナンスで建物を長持ちさせましょう。
*K*
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