縁切りとは?屋根塗装においてとても重要な理由
投稿日:2022.5.21 更新日:2023.12.28
屋根塗装時におこなう作業の1つに「縁切り」というものがあります。
縁切りは屋根塗装において、屋根の寿命にもかかわるとても重要な作業です。
聞き馴染みのない言葉で、どのような作業なのかなぜ重要なのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、屋根塗装における「縁切り」について、その重要性や方法とともに解説します。
縁切りをしなかった場合のトラブルについても解説するので、しっかりと理解しておきましょう。
縁切りについて
まずは縁切りとは何か、また縁切りの重要性について解説します。
また、縁切りは全ての屋根塗装でおこなうわけではありません。
縁切りがいらない場合もあるので、不要なケースについても解説します。
縁切りとは?
スレート瓦の屋根塗装では、塗料を塗った際に屋根材の重なり部分に塗料が詰まってしまい、その隙間を塞いでしまいます。
縁切りとは、その塞がってしまった隙間の塗膜を切り離し、雨水の通り道を確保する作業のことです。
また、従来はカッターを使用した方法が一般的でしたが、最近では「タスペーサー」を使用した方法が主流となっています。
それぞれの方法については、後ほど解説します。
縁切りの重要性とは?
屋根材と屋根材の隙間が塗料によって塞がっている場合、溜まってしまった雨水の逃げ道がなくなってしまい、屋根内部に雨水が浸入してしまいます。
しかし、縁切りによって屋根材と屋根材の間に隙間を作ることで、雨水はその隙間を抜け出ることができ雨水が溜まらないのです。
その結果、雨漏りや内部結露を防ぐことができるので、縁切りはとても重要な工程になるのです。
縁切りをしないケース
スレート瓦の場合でも縁切りをしないケースがあり、それは新築後1回目の塗装工事の場合です。
理由は、初めての塗装は10年ほどでおこなうことが多く、その間常に紫外線を浴びていることで屋根が自然に反り隙間ができるからです。
また新築のスレート瓦は塗装をしないので、1回目の塗装ではあまり厚みが出ることはなく、隙間を埋めてしまうことがないということも理由の1つになります。
そのため、縁切りをおこなうのは2回目以降の塗装時になりますが、新築後初でも縁が塞がっている場合は縁切りが必要になります。
そのほかにも勾配が急な屋根や、経年劣化によって屋根が反っている場合は塗料が詰まりにくいため、縁切りは必要ありません。
縁切りの方法について
従来はカッターなどを使用した縁切りが主流でしたが、最近では「タスペーサー」を使用した縁切りが主流になっています。
次はそれぞれの縁切りの方法について解説します。
カッターによる縁切り
従来のカッターを使用した縁切りでは、上塗り塗装後に隙間を塞いでいる塗膜を1枚1枚切り離していました。
しかし、この方法だと塗装完了後に屋根にのぼることになるので、屋根が汚れてしまい屋根材を傷つけてしまうというデメリットがあります。
また、地道な作業となるので時間と手間がかかり、費用も高くなってしまうのです。
タスペーサーによる縁切り
タスペーサーとは縁切り用の部材で、屋根材の重なり部分に差し込んで隙間を作るためのものです。
差し込んだら外から見えることはなく、紫外線も浴びないのでタスペーサー自体が劣化することはほとんどありません。
そのため、塗装工事後も入れたままになります。
タスペーサーを使用するタイミングは下塗り塗装後で、約15㎝の間隔をあけて差し込みます。
下塗り塗装後に縁切りをおこなうので、屋根が汚れるといったことがありません。
また、1人で作業しても3時間ほどで終わるので時間と人件費の削減になります。
縁切りをしなかった場合のトラブル
縁切りは時間と手間がかかる作業ですが、屋根塗装の際には必要な作業です。
もし縁切りの作業を省略してしまった場合、さまざまなトラブルが起こってしまいます。
最後に縁切りをしなかった場合のトラブルについて解説します。
雨漏りが起こる
縁切りをしていない場合、屋根材の隙間が塗料で埋まることで雨水の抜け道を確保することができません。
その結果、雨水が溜まり続けて雨漏りを引き起こしてしまう可能性があるのです。
また、屋根下地の腐食にもつながってしまいます。
内部結露が起こる
縁切りをしていないと通気性が失われてしまい、内部結露が起こってしまいます。
また、内部結露が起こることによって屋根材も傷んでしまいます。
屋根材の表面は塗装によって保護してありますが、裏面はそのままの状態であることが多いのです。
その結果、屋根材が傷んでしまい屋根材の寿命を短くしてしまう可能性もあります。
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まとめ
屋根塗装における「縁切り」は、建物の寿命にも影響するとても重要な作業です。
大切な家を守るためには縁切りがなぜ必要なのか、しなかった場合にはどのようなトラブルが発生してしまうのかを、しっかり把握しておくことが大切です。
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