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貫板とは?用途や種類を解説

投稿日:2024.1.18 更新日:2024.1.21

貫板とは?用途や種類を解説

建築現場で見かけるさまざまな部材の中で、「貫板」は重要な役割を果たします。

貫板は幅6cm~9cm、厚さ9mm~1.5cm程度の木の板で「柱など垂直方向の部材と部材の間に渡す水平方向の材料」という広い意味を持ちます。

しかし、一般的には主に屋根構造の一部として使用され、棟板金を固定するための部材の事を指すことが多いです。

本記事では貫板の基本的な特性やその使用方法、そして貫板の重要性について詳しく解説します。

 

 

 

貫板の用途

貫板とは?用途や種類を解説

 

建築物の安定化材

貫板は、建築物の安定化において重要な役割を果たします。

柱と柱をつなぐことで建物全体の剛性を向上させ、耐力を強化しています。

貫板は通常、建物の基礎や階層間に組み込まれ、横方向に発生する力や振動に対して強化する立場です。

これにより、地震や風などの外部からの力に対して建築物を安定させ、構造物全体の安全性を確保します。

また、貫板は建物内の広がりを防ぎ、垂直方向に加えられる荷重を分散する役割も果たしています。

これにより、建物が垂直方向に変形することを抑制し、長期間にわたって安定性を維持できるでしょう。

木造建築では水平方向の資材の固定のほかに、壁・床下の補強などにも使われています。

 

 

棟板金の固定材

貫板は、棟板金の固定にも重要な役割を果たします。

屋根の構造物において水平方向に配置され、棟板金をしっかりと固定する役割を持っています。

棟板金は屋根の頂点に位置し、屋根の合板や枠組みを覆っており、外部からの影響を受けやすい箇所です。

通常、貫板は金属や木材などの耐候性の高い材料で作られています。

棟板金を固定する際にその下に設置され、棟板金と屋根の間をしっかりと固定します。

これにより、棟板金が風圧や風荷重によって揺れたり、外部の影響で浮き上がることを防ぐことができるのです。

また、貫板は棟板金が適切に位置づけられ、屋根全体の構造の安定する役割も果たします。

 

 

 

貫板の種類

 

木製貫板

木製貫板は、その名の通り木材で作られています。

長年にわたり使用されてきた伝統的な貫板で、その耐久性と自然な見た目から多くの建築物で採用されてきました。

また、軽くて加工がしやすいのがメリットです。

しかし、木製貫板は湿度や気温の変化により劣化しやすいという欠点があります。

 

 

樹脂製貫板

近年では、樹脂製の貫板も腐食しないことが魅力で使用されています。

樹脂製貫板は軽量で取り扱いやすく、さらに耐候性に優れています。

水分を吸収しにくいという特徴を持つため、木製よりも不具合が出にくいです。

しかし、樹脂製貫板は割れやすいため、ビスや釘の位置次第では割れてしまうことが有るので注意が必要です。

また、樹脂製貫板は木製貫板と比べてコストが高い傾向にあります。

 

 

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は鋼板にアルミニウムと亜鉛の合金を塗布したもので、耐食性と耐熱性に優れています。

ガルバリウム鋼板はその強度と耐久性から、とくに厳しい気候条件下での使用に適している基材です。

長期間メンテナンスが不要という利点があります。

ただし、ガルバリウム鋼板は他の貫板と比べて値段が高くなる可能性があります。

また、ビスでしっかり固定されるのですが、経年によりビス穴が広がってビスが抜けてしまうこともあるので注意が必要です。

 

 

 

貫板の劣化とその影響

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劣化の原因

貫板は日々の気候変動や自然の影響を直接受けるため、時間とともに劣化します。

とくに、雨風や紫外線・温度変化は貫板に大きな負担をかけ、その寿命を縮めます。

また、木製貫板は湿度の変化により腐食しやすく、ガルバリウム鋼板は塗装が剥がれることで錆びやすいです。

貫板の劣化は、見た目の変化や機能の低下で確認できます。

たとえば、色あせ・割れ・歪み・腐食・錆びなどがあります。

また棟板金が固定されていない、棟板金が浮いているなどの現象も、貫板の劣化が進んでいる兆候です。

 

 

貫板の劣化による影響

貫板が劣化すると棟板金の固定が不十分になり、風雨による影響を直接受けるようになります。

これにより、棟板金が浮き上がったりズレたりする可能性があります。

さらに、貫板が劣化して穴が開いたりすると雨水が屋根内部に侵入し、屋根材や天井材の劣化を引き起こすでしょう。

そのため、貫板の劣化を早期に発見し、適切な修理や交換をおこなうことが重要です。

 

 

 

貫板のメンテナンス

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貫板は棟板金を含めて定期的な点検が大切です。

とくに雨漏りや錆び、変形した箇所がないかを確認します。

棟板金・貫板は屋根の要所に位置するため、損傷が早期に発見されると修理が容易です。

 

棟板金の塗装は、防水性と耐候性を向上させる役割があるため、塗膜がはがれたり色あせたりした場合は金属用の塗料を使用して再塗装します。

棟板金のつなぎ目や周囲の接合部には防水シーリング材を使用して、水の侵入を防ぎます。

また、棟板金周辺の通気孔や通気スペースが確保されていないと、湿気がこもりやすくなるため、詰まっていないかの確認も大切です。

 

棟板金に損傷が見られた場合は修理が必要です。

小さな穴やへこみでも雨水の侵入を引き起こす可能性があるため、迅速な対処が重要です。

これらの対応は棟板金を通じて貫板の状態維持にとても大事なメンテナンスになります。

 

 

貫板の交換

貫板が大きく劣化した場合、または棟板金の固定が不十分になった場合、貫板の交換が必要となります。

貫板の交換は屋根全体の性能を維持し、屋根からの雨漏りを防ぐために重要です。

交換作業はまず既存の貫板を取り外し、新しい貫板を取り付けるという手順でおこないます。

その後、新しい貫板に棟板金を固定します。

このように貫板の交換は屋根全体の性能を維持し、屋根からの雨漏りを防ぐために重要です。

 

 

 

まとめ

本記事では、建築現場で重要な役割を果たす「貫板」について詳しく解説しました。

貫板は木製・樹脂製・ガルバリウム鋼板などの素材で作られ、建物の安定性や屋根の構造を支える重要な部材です。

建築物の安定化・棟板金の固定に重要であるため、適切な種類の選択とメンテナンスが住宅の維持管理に非常に大事と言えます。

適切なメンテナンスをおこない、快適な生活ができるようにしていきましょう。

 

*K*

 

 

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