軒天とは?メンテナンス方法や役割を解説
投稿日:2024.8.17 更新日:2024.8.28
台風などが通り過ぎた後、ふと屋根の裏側を見上げたら、白い板が剥がれていることに気づいた方もいるのではないでしょうか?
屋根から突き出た部分のことを「軒天」と言います。
「軒天のメンテナンスは外壁塗装と一緒におこなえば大丈夫。剥がれてしまっても建物に大した影響はないだろう」と思いがちです。
最近では、住宅環境やデザイン性などを重視し、軒天がない建物も増えてきています。
しかし、軒天は紫外線や雨から外壁を守ってくれるなど、快適な生活をするためにも重要です。
本記事では、軒天の役割や素材別の特徴・メンテナンス方法について解説します。
軒天の役割
軒天の役割は主に4つあります。
・外観の美観を保つ
・延焼を防ぐ
・紫外線や雨から外壁を守る
・通気
軒天があることで、屋根材として使用されている垂木や野地板を隠してくれるため、住宅の美観を向上できます。
また不燃材が使われているため、隣の家やご自宅で火災が起こった際に、屋根裏まで一気に燃え上がるのを防いでくれる役割があります。
さらに、軒天があるのと無いのでは外壁の損傷が変わってきます。
軒天の長さがあまりない建物の場合、外壁の色あせやが早く、雨漏りのリスクも高まります。
また、屋根の裏側にある軒天は日が当たりにくい場所なので、湿気がこもりやすく、苔や藻などが発生しやすいです。
軒天の素材
軒天の素材は主に3種類です。
それぞれの特徴について説明します。
木材(カラーベニヤ・化粧合板)
木材の軒天は新築で使われていることはありませんが、費用をできるだけ抑えてメンテナンスをおこないたいユーザーに合わせて用いられている素材です。
経年劣化すると、接着剤が弱まり表層が剥がれてしまうケースがあります。
また、10年以上経過すると多くの場合塗装ができずに、張り替えや増強補修をすることがあります。
不燃材(ケイカル板・エクセルボード・フレキシブボード)
不燃材の軒天は、新築やリフォームに多く用いられている素材です。
性能やコストのバランスが大変よい軒天材です。
その中でも、ケイカル板は耐火性や放湿性に優れていますが、吸水性が高いため塗装による塗膜の保護が欠かせません。
フレキシブルボードは高い強度がありますが、ケイカル板のおよそ2倍の重量があるため、下地の強度を事前に確認しておく必要があります。
金属系
金属系の軒天は、屋根や外壁材への普及率が高い素材です。
中には、木目調をプリントアウトした鋼板材もあります。
アルミやガルバリウム鋼板は、軽量でサビにくいことがメリットになるため、塗装回数を減らせる利点があります。
しかし、サビが発生してしまうと耐久性が低下し、美観を損ねてしまう原因になります。
15〜20年程で、腐食と穴あきを防ぐサビ止め塗装と仕上げ塗装をおこなうようにしましょう。
軒天塗装の必要性
軒天は雨が直接あたる機会が少ないですが、湿気がこもりやすい場所です。
塗装の塗膜で保護されていないと、軒天が傷んでしまう原因にもなります。
風の影響を受け軒天にホコリが付着し、汚れやホコリで黒ずんでしまうケースがあり、知らず知らずの間に建物が古く見えてしまっています。
定期的に塗装をおこなうことで、塗膜保護されホコリがつきにくくなるのです。
また、軒天材が剥がれてしまい、屋根裏が見えている場合には注意しましょう。
剥がれてしまった軒天部分から、スズメやムクドリ、ネズミやハクビシンが入り込んで棲家として使われてしまうからです。
糞や尿の影響により屋根材が腐食したり、配線などを噛んでしまいろう電や停電を引き起こしてしまいます。
蜂は軒先に巣を作ることが多いですが、危険の確率が少ない屋根裏に巣を作ることもあります。
軒天のメンテナンスだけでは済まなく害獣対策もおこなわねばならないため、費用や手間がかかってしまう可能性が高いです。
軒天のメンテナンス方法
軒天の劣化状況によりメンテナンス方法が異なります。
主なメンテナンス方法は以下の3種類です。
・塗装
・重ね張り
・張り替え
軒天工事は、高所作業になるため足場の仮設が必要です。
1階部分の軒天であれば、脚立を使用し補修する場合もあります。
メンテナンスをおこなう範囲が広ければ広いほど足場が必要になります。
塗装
表面の塗膜が劣化し、防水性が低下している場合におこないます。
軒天の劣化を抑えられ、寿命を伸ばすためにも有効なメンテナンス方法です。
塗装することで表面に新たな塗膜ができ、雨水が侵入するのを防いでくれたり、素材に染み込まないようにしてくれるからです。
通常塗装をおこなう場合には、高圧洗浄機を使用して付着している汚れや塗膜を洗い落とします。
軒天材の中には水に弱い素材もあるので、そのような場合には、高圧洗浄はおこなわずケレンやペーパー掛けで下地の処理をおこないます。
重ね張り
重ね張りは既存の軒天を撤去することなく、その上に新しい材料を重ねて張り付ける工法です。
高い耐水性があり、燃えにくいケイカル板を使用するのがおすすめです。
既存の軒天を剥がさずに重ねて張れるため、解体の手間がかからずに廃材もほとんどでない利点があります。
20年・30年と長い期間、建物を良い状態で維持したい場合におすすめのメンテナンス方法です。
張り替え
張り替えは既存の軒天が腐食し傷みが激しく、重ね張りに耐えられないと判断した場合におこないます。
既存の軒天材を撤去し新しくつけるため、廃棄材などの費用がかかってしまうのがデメリットです。
また、雨漏りがひどい場合には、軒天の下地である野地も一緒に撤去して張り替える場合もあります。
まとめ
軒天は、紫外線や雨から外壁を守ってくれたり、延焼を防ぐなど建物にとって重要な役割があります。
しかし、屋根の裏側にあるため水や湿気がこもりやすく、軒天の劣化を長く放置してしまうと、屋根や外壁に被害が拡大してしまいます。
そうなると軒天のメンテナンスだけではなく、屋根や外壁の補修もしなければならなくなります。
大規模工事を避けるためにも、定期的なメンテナンスをおこなうようにしましょう。
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